2012年05月08日
今月の法語 平成24年5月
先のことは誰にも
分からない
でも、今できることを
即実行・継続
これが将来を開く
厳しい経済状況が続く昨今です。企業にとって大切なのは、生き残るための算段と同時に、将来のため今できることを徹底することでしょう。
半導体製造装置の開発・製造・販売等を行なう東京エレクトロンは、製品受注高が低下していることを受け、余った時間で社員研修を実施しています。
同社の歴史や文化、理念についての研修、生産プロセスといった技術研修とともに、語学教育にも力を入れています。
この研修は全社員が対象で、工場稼働率の低下を逆手にとって、社員の能力を引き上げ、需要回復後の業務に備えています。
不況の波といいますが、波には必ず山と谷があります。人も企業も、苦境の時に何をするべきかが、将来の差となって表われることでしょう。
研修や教育のみならず、清掃、書類整理、お得意先へのケアなど、今だからこそできるものがあるはずです。「今、自分ができること」を常に考え、小さくても新たな変化の波を、職場内に起こしたいものです。
参考の文章でも語られている通り、日本経済が上向きになって欲しいと願う人はたくさんいると思いますが、では経済の立て直しのために自らが出来る範囲でなにか行っているか?と問われると、自信を持って手を挙げることが出来る人が何人いるでしょうか?
誰でも自分の生活の中で多くのものを抱えている現実の中で、どれほどのことが出来るのか、逆に不安になってしまうと思います。
出来れば、体制批判や日本政府を批判することで、不安を一瞬でも拭い去りたいと思いますが、自分以外の誰かのせいにして文句を言っているままでは、決して前に進むことは出来ません。イライラして余計不安になるだけでしょう。
批判や文句は前向きな言葉ではありません。マイナスの言葉を自らが発してしまうことで事態はさらに一層悪くなってしまうことを知る必要があります。
先のことは、1分1秒先でも分からない!と言うのが現実です。ならば、経済が好転の兆しを見せ始めたときに、マイナスの言葉で会社や自分のモチベーションが下がっていたとしたらどうでしょう?
確実に他社や競争相手から一歩も二歩も遅れを取ってしまいます。
難しいことを考え、自分が行うことの効果とリスクなどを天秤にかけたりすると途端に行動しようという気持ちが薄れてしまいます。他人から見たら、首をかしげてしまうような事であっても、自らが今できると判断し、一歩踏み出してみましょう。
それは立ち止まって批判や文句を言っているよりも遙かに意味があることです。失敗してもそれは学ぶ機会を得るという又とないことです。
物事を前向きに捕らえていける人は、物事の表面的な出来事に振り回される必要もありませんね。どのように活用し、自らの糧にしていくかどうかということです。
最初の方でお話した不安ですが、人がこの世で生活していく中で、全く不安から解放されることはありません。人の欲望と同じで、一つが満たされたり、または解消されたりしたとしても、すぐまた次の欲望や不安に悩まされるだけなのです。
欲望も不安も人が生活していく中で必ず生じてくるものであるし、いたずらに恐れたり敬遠するだけでは何も解決することは出来ません。それよりもなぜ不安なのか?落ち着いて考えてみる必要があります。密教では欲望や不安をロウソクのような炎に例えます。
ロウソクの炎は明かりを与え、周りを映し出す力があります。それだけでなく調理に使用したり、身体を暖めたり、活用法はいくらでもありそうですが、もしコントロールを失い、炎が大きくなり過ぎてしまうと、自らの身体や家財を焼き尽くしてしまう恐ろしい存在でもあります。
欲望も不安も正しく理解し、大きすぎる炎にしてしまわないように、注意深く活用していくことが大事です。
不安で考えてみるならば、人は不安があるからこそ努力し、今よりも改善しようとする力の源になります。不安があるからこそ、人間関係で謙虚になることができます。
どんなことでも自らを磨く機会につなげる、そんな前向きで力強い人生を歩んで行きたいものですね。
合掌
※以下、参考書籍
この法語作成のために参考にした書籍は「職場の教養」です。
社団法人倫理研究所にて毎月発行されている書籍です。
社団法人倫理研究所とは、文部科学省生涯学習政策局所管の社会教育団体になります。会社の社長さんや経営者の方々が早朝の時間を使って勉強し、自らを磨く活動によって、健全な経営を行い社会貢献を実践しています。
Posted by 医王寺 at 22:51│Comments(0)
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